初心者でもわかる!液体の輸送方法について解説

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ひと口に輸送と言っても様々な輸送物がありますが、ここでは液体の輸送方法について解説します。

「液体ってどうやって運ぶの?」
「どんな形で輸送されるの?」
「液体を運ぶ時に決まりはあるの?」

そんな疑問にお答えしますね!

液体はどうやって輸送するの?

液体を輸送するには、

  • タンクローリーで運ぶ
  • 液体を詰めた容器を運ぶ

の方法があります。

タンクローリーとは荷台部分が大きなタンクになっている、液体や気体、粉体などを運ぶ専用のトラックのことです。タンクに直接ホースをつなぎ、荷下ろしをします。(タンクローリーについては、この後の章でも詳しく解説します。)

液体を詰めた容器を運ぶ際には、トレーラーやトラックが用いられます。

液体輸送の3つの方法

液体の輸送には「タンクローリーで運ぶ方法」と「液体を容器に詰めて運ぶ方法」があります。

ここでは容器と言っても一斗缶やポリタンクなどではなく、もっと大きな容器について紹介します。

液体輸送に使われる容器

液体輸送の運搬に使われる代表的なものには、

  • ドラム缶
  • ISOタンクコンテナ
  • IBCコンテナ

があります。

それぞれについて解説します。

ドラム缶

ドラム缶とは、約200Lの液体が入る金属製の缶のことです。

テレビや生活の中で目にしたことがある方も多いのでは?

ドラム缶のメリットは、耐火性・耐久性に優れているところ。

ガソリンや灯油などの油から化学溶剤、塗料などを運搬・貯蔵できます。

人力や台車で移動させることもできる、扱いやすい大きさです。

またドラム缶の大きさや形は国際的にほぼ同じになっているので、どの国でも保管や輸送の作業が周知されています。

国内運搬にも国際運搬にも扱いやすい輸送容器です。

ISOタンクコンテナ

タンクコンテナとは、液体をバルク輸送(そのままの状態で輸送すること)するためのコンテナです。

ISO規格に基づいて設計・製造されたものを「ISOタンクコンテナ」といいます。

ISOは国際規格なので、海外輸送にも使用できます。

大きいものだとドラム缶100本分以上もの容量があるので、大量の物質を輸送できます。

コンテナに使われる材質はステンレス。石油化成品やガス類などの他、ワインなどのお酒、水など食品も輸送できます。

ISOタンクコンテナでワインを運び、荷受け地で樽やビンに詰めるなんてこともされてるんですよ!

タンクコンテナはパレットを使わないので、環境にやさしいというメリットもあります。

IBCコンテナ

IBCコンテナとは、高密度ポリエチレンでできた液体輸送用のコンテナです。

IBCとはIntermediate Bulk Containerの略。日本語に訳すると「中間バルクコンテナ」になります。

ドラム缶4本分ほどのスペースでドラム缶5本分(1,000L)の容量があります。

フォークリフトによる積み下ろしが可能。

形状も直方体なので、トラックや海上輸送コンテナにも効率よく積み込むことができます。

工業危険物薬品から食品まで、幅広く輸送できますよ。

液体輸送に欠かせない車両とは?

液体輸送に欠かせない車両と言えば「タンクローリー」や「トラック」です。

ここではタンクローリーについて、詳しく解説します。

タンクローリーとは

タンクローリーとは「荷台部分がタンクになっている、液体や気体、粉体などを運ぶ専用のトラック」のことです。

タンクローリーと言うと石油や工業用の液体を運ぶイメージがありますが、被災地に出向く給水車もタンクローリーですし、牛乳を運ぶのもタンクローリーなんですよ!

タンクローリーは一見ただ車に大きなタンクが載っているように見えますが、実は内部ではいくつかに仕切られています。具体的には一室が4,000L以下になるように、横に仕切りが入っています。

これは液体のゆれによる横転を防ぐため。

液体はカーブやブレーキの際に揺れて前後左右に大きく揺れます。このときタンクの中に仕切りがないと、内容物が前後左右に大きく揺れます。そうすると車体がバランスを崩し、横転してしまう危険性があります。

でも中を仕切ることで、それぞれの部屋の中でのゆれにおさめることができるので、タンクローリーの横転を防ぐことができるのです。

また仕切りがあることで、例えば「軽油と灯油とガソリン」など別の物質を一度に運ぶこともできるというメリットもありますよ。

ちなみに、タンクローリーの「ローリー」とは、イギリス英語で「トラック」「貨物自動車」という意味です。何かがくるくる回るわけではないのですね。

タンクローリーに必要な免許

タンクローリーを運転するには、

  • タンクローリーを運転するための免許
  • 危険物を取り扱うための免許

が必要です。

運転するためには、「大型免許」や「けん引免許」、危険物を取り扱うには「危険物取扱者」や「特定高圧ガス取扱主任者」などの免許が必要になります。(有資格者の同乗でOKなものもあります。)

「運搬」と「移送」

輸送用語でトラックで運ぶことは「運搬」なのですが、タンクローリーの場合は「移送」と呼び方が変わります。

タンクローリーは、消防法では「移動タンク貯蔵所」と表記されます。

モノを運ぶというよりも貯蔵所ごと移動させるイメージからかもしれませんね。

液体を海外に輸送するときの注意点とは?

液体の海外輸送は、国際ルールを守る必要があります。

危険物輸送の統一的なガイドラインとして、国際連合が定める「危険物輸送に関する勧告」(通称オレンジブック)があります。

オレンジブックでは、

  • 危険物の運送で使用すべき品名・国連番号(UN番号)
  • クラスごとに表示すべきラベル(標札)
  • 国連分類
  • 輸送用容器(包装・梱包方法)に関する要件

が決められています。

例えば国連番号について。

国連番号とは物質につけられた番号のことです。

物質ひとつひとつに「UN○○○○」という番号が付けられています。

この番号のおかげで、どの国の人でもそれがなんという物質なのかがわかるようになっているんですよ!

こういった国際的な輸送ルールのおかげで、危険物でも安全に輸送できるのですね。

液体輸送の容器に必要なことについて

国内で液体を輸送する際には、消防法で定められた容器を使用しなければなりません。

容器に用いる素材は「危険物と反応しない素材」である必要があります。

具体的には銅板やアルミニウム板、ガラスなど、破損の恐れが少ない素材を使用します。

容器の側面には、

  • 危険物名
  • 危険等級
  • 水溶性かどうか(消防法第4類危険物の場合)
  • 数量
  • 注意事項(火気厳禁、火気注意など)

をわかりやすく表示します。

これも消防法で定められています。

また液体の充填量は容器の98%以下・55℃の温度でも漏れない空間容積を確保する必要があります。

まとめ

液体輸送について解説してきました。

液体の中でも危険物から食品まで多様な輸送物があり、運ぶ方法もいくつかありました。

海外輸送においては国際連合が定める「危険物輸送に関する勧告」、国内では「消防法」に従い、安全に輸送を行わなければなりません。

命を懸けて輸送してくださっている方々のおかげで、私たちの生活が成り立っているのですね。

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