世界の物流を支えている「海上コンテナ」、一口にコンテナと言っても用途によってさまざまな種類があります。
そこでこの記事では、海上コンテナのサイズや種類について解説します。
「こんなコンテナもあるのか」などの発見があるかも知れませんよ!
海上コンテナサイズ一覧|20フィート・40フィート・45フィートのサイズを比較!
20フィート | 20フィートHC | 40フィート | 40フィートHC | 45フィート | |
長さ(mm) | 6,058 | 6,058 | 12,192 | 12,192 | 13,716 |
幅(mm) | 2,438 | 2,438 | 2,438 | 2,438 | 2,438 |
高さ(mm) | 2,591 | 2,896 | 2,591 | 2,896 | 2,896 |
ISO規格のコンテナのサイズを一覧にしてみました。
海上コンテナは、主に20フィートと40フィートのコンテナが使用されています。
1フィートは現在の制定では0.3048m(304.8mm)です。
ですから正確には、6,058mmは19.87533フィートとなりますね。
40フィートコンテナは、単純に長さが20フィートコンテナの倍となります。
高さは8フィート6インチ。このことから「ハチロク」とも呼ばれます。
またHCはハイキューブの略で、背高タイプのコンテナの事。
HCは高さが9フィート6インチなので「クンロク」とも呼ばれています。
幅や高さは20フィートコンテナも40フィートコンテナも変わりません。
海上コンテナのサイズ規格ってどうなってる?容量や仕様について解説!
前章ではISO規格のコンテナサイズを一覧にしました。
現在流通している海上コンテナはISO規格に基づいて設計されています。
この「ISO規格」について、もう少し詳しく解説します。
ISO規格とは
ISO規格とは、ISO(国際標準化機構)で制定された規格のことです。
海外コンテナのサイズは、このISO規格に基づいています。
ISOにより規格化されたコンテナには、
・20フィート
・40フィート
・45フィート
の3種類があります。
20フィートと40フィートのコンテナは、1968年1月のISO総会で規格が決定しました。
45フィートは20フィートや40フィートコンテナとは別に、2005年に規格が決定しました。
なぜ長さの単位にフィートが用いられるのか?
日本ではメートル法が主なので、フィートやインチはあまりなじみがありませんよね。
なぜコンテナの規格にフィートが使われるようになったのか?
wikipediaによると、
国際的に使用されるコンテナは、その発祥時点で海上用、航空用ともヤード・ポンド法を尺度とするアメリカ合衆国で実用化された経緯から、ヤード・ポンド法に基づくフィート単位で規格化されたものが主流を占める。
引用:wikipedia
なのだそうです。
発祥の地アメリカが「ヤード・ポンド法」を使用していたのですね。
ちなみに1インチの2倍の長さが1フィート、1フィートの3倍の長さが1ヤードです。
ISO規格コンテナを利用するメリット
ISO規格コンテナを利用するメリットは、
・サイズが規格化されているので、スペースを効率的に利用できる
・荷役(ハンドリング)が容易
であるところです。
多様な荷姿・梱包形状の貨物でも、コンテナに詰めることで1つの運搬物として扱うことが可能に。
このコンテナ物流は、20世紀最大の発明のひとつと言われるほど物流に革命をもたらしました。
規格化されたコンテナを輸送に用いることで、人件費や時間コストを短縮。
納期通りの安定した物流が可能になりました。
また積み下ろしの際の破損や盗難を防ぐこともできるようになり、安全面も向上。
ISO規格コンテナのおかげで、世界の物流は成り立っているのですね。
どんな材質で作られている?
海上コンテナは輸送中に日光や塩分にさらされるため、耐久性の高い材質で作られています。
一般的にコンテナと言うとドライコンテナを指しますが、このドライコンテナは鋼鉄で作られています。
床面は荷物が置けるよう合板が貼られているという、ごくシンプルな構造。
鉄の箱に板の床が敷いてある、といった感じですね!
また液体輸送に使われる「タンクコンテナ」ですと、タンク部分は腐食や変性に強いステンレスで作られています。
運搬物資を長い海上輸送から守れるよう、丈夫で頑丈に作られています。
海上コンテナの種類や特徴を知ろう!
海上コンテナには、いくつかの種類があります。
ここでは、
・ドライコンテナ
・オープントップコンテナ
・フラットラックコンテナ
・リーファコンテナ
・タンクコンテナ
を簡単に紹介します。
ドライコンテナ
ドライコンテナは、常温で貨物を輸送する際に使用するコンテナです。
コンテナと言うと、このドライコンテナを指すのが一般的です。
前章でも解説しましたが、ドラコンテナは「鋼鉄製の頑丈な箱」といった感じ。
ここに物資を積み込んで、輸送します。
サイズが規格化されているので、スペースを効率よく利用できます。
オープントップコンテナ
オープントップコンテナは、ドライコンテナの天井部分が外れる形状になっているコンテナです。
オープントップコンテナは、
・上部から荷物を積み下ろししたいとき
・コンテナ高より高さのある貨物を運びたい時
に使用します。
コンテナはそれ自体が重いため、貨物との総重量からフォークリフトを使えなくなるというデメリットがあります。
そのようなときは、船上の空コンテナに上部から搬入することで輸送可能に。
天井部分が固いふたになっている「ハードトップコンテナ」と、天井部分を幌などでおおう「ソフトトップコンテナ」があります。
フラットラックコンテナ
フラットラックコンテナは、天井だけでなく壁も取り外すことができるコンテナです。
この形状により、クレーンを使って上からも横からも貨物を積み込むことが可能に。
木材や大型重機など、コンテナの幅や高さからはみ出る貨物の輸送に使われます。
リーファコンテナ
リーファコンテナは、中の温度管理できるコンテナです。
リーファコンテナには空調装置が備えられており、冷凍物や冷蔵物の輸送に使われます。
食品だけでなく、温度管理が必要な薬品などもリーファコンテナで輸送されます。
内側に断熱材が貼られているので、ドライコンテナよりも内寸は小さくなります。
タンクコンテナ
タンクコンテナは、液体や気体、粉末を運ぶためのコンテナです。
ステンレス製のタンクの周りにISO規格サイズの鋼鉄製フレームが取り付けられており、通常コンテナと同じように液体を輸送することができます。
一度に大量の液体を輸送できるのが、タンクコンテナのメリットです。
コンテナ表記でコンテナのサイズと種類がわかる!
コンテナにはたくさんの数字や記号が書かれています。
ここでは「これを見ればコンテナのサイズと種類がわかる」という表記を、一部ですがご紹介します。
数字とアルファベットの組み合わせでサイズと種類を表している
コンテナには「数字」「数字」「アルファベット+数字」の組み合わせの表記があります。
これでサイズと種類を表しています。
このコンテナの記号「45G1」から、コンテナサイズと種類を読み取ってみましょう。
1文字目はコンテナの長さです。
2=20フィート
4=40フィート
ですから、このコンテナは「長さが40フィートのコンテナ」であることを表しています。
2文字目はコンテナの高さ。
2=8フィート6インチ(スタンダード)
5=9フィート6インチ(ハイキューブ)
ということで、このコンテナは「高さが9フィート6インチのハイキューブ(背高)コンテナ」であることを表しています。
最後はアルファベット+数字の部分。
G1=ドライコンテナ(General purpose container)
U1=オープントップコンテナ(Open top container)
P1=フラットラックコンテナ(Platform container)
R1=リーファコンテナ(Refrigerated container)
T1=タンクコンテナ(Tank container)
なので、このコンテナは「ドライコンテナ」であることを表しています。
合わせると、「45G1」は「40フィートハイキューブ(9フィート6インチ)のドライコンテナ」と言うことになります。
海上コンテナの内寸サイズはメーカーにより多少異なる
海上コンテナでは、外寸はISO規格で定められているのですが、内寸はメーカーにより若干の違いがあります。
20フィートコンテナを例に、内寸を比べてみました。
長さ(mm) | 幅(mm) | 高さ(mm) | |
A社 | 5,867 | 2,352 | 2,385 |
B社 | 5,908 | 2,387 | 2,260 |
C社 | 5,898 | 2,350 | 2,393 |
このように、わずかですが各社で内寸のサイズは異なります。
またコンテナ重量もメーカーにより多少異なるので、最大積載量(最大総重量から自重を引いた重量)もメーカーにより差が生まれます。
まとめ
海上コンテナのサイズや種類について解説しました。
海上コンテナは20フィートと40フィートのものが主に使用されており、そのサイズはISO規格で定められています。
規格化されたサイズのコンテナで輸送することで、運搬や荷役、保管が容易になります。
コンテナにはいくつか種類がありますが、運ぶものによって適切なコンテナを選ぶことが重要です。
もし街中などでコンテナを見かけたら、ぜひコンテナサイズとコンテナの種類を当ててみてくださいね!
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